レッスンやワークショップで講師の軸となっているもの

こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。

唐突ですが・・・

フライト中に何らかのトラブルで機内が急減圧した場合、酸素マスクが目の前に降下されます。この時、あなたが小さなお子さんを持つ親であったとして取るであろう行動を予測してみてください。

10キロ上空を飛行する機内では正確に意識を保てるのは30秒ほど。まずはお子さんにマスクを付ける前にご自身の酸素マスクを装着するのが取るべき正しい行動です自分の安全を確保することが出来なければ他者を助けることも出来ない。これはその例として頻繁に出される話です。

●「まずは自分の面倒をみる」=アレクサンダーテクニークレッスンの基本

「自分の面倒をみる」ことは個人レッスンやワークショップの講師として生徒さんや参加者の皆様の前に立ってアドバイスをする際、今の私が最も大切にしている考えです。

過去のレッスンの現場では「自分の面倒を見ていない(自分自身の身体を忘れた使い方)」状態の私を生徒さん方はお手本にしてしまう事も多々ありました。

日本では「相手を尊重し優先する」自己犠牲が美徳とされている慣習もあるため、指導する立場で「自分優先」とも受け取られてしまいがちな行動は、違和感を抱く人も多いでしょう。

それでも、私が学ぶアレクサンダーテクニークは演奏や指導の際の前提として、酸素マスクの話と同様に「まずは自分の面倒をみる」ということを第一に優先します。

「自分自身を信頼する」

先日開催したワークショップでは「自分の面倒をみる」とともに「自分自身を信頼する」ということもつけ加えました。

今どきのポジティブシンキング的なスキルで捉えるとすれば、自分を信頼するのも簡単そうな作業ですが、本来の意味で信じて頼りにすることは、自分自身に対してもそれなりの根拠が必要になります。

その根拠となるものを蓄えられたと実感したときに私は初めて「自分自身を信頼する」ことが出来、レッスンやワークショップの時間を充実したものに出来るのだと思っています。

「自分の面倒をみる」

「自分を信頼する」

今現在、この2つが私の中のアレクサンダーテクニークレッスンの軸となり、そして基本となっています。

同様の条件下で行われたNASAのシミュレーションテストを見たことがあります。体内の酸素飽和レベルが下がり低酸素症になると、基本的な人間としての機能が完全に停止していきます。ほんの数分でごく普通の理性的な人間が、ものの形も判別できない、手も動かせない、自分の身を守ることもできない別人と変わってしまいます。