ATI認定アレクサンダー・テクニーク教師によるピアノ指導

講師が”楽しむ”で教室が豊かになる

ピアノ教育がドイツから日本に持ち込まれるようになったのは明治時代と言われていますが、その当初から数十年前まで、講師は生徒にピアノを”指導する”というスタンスでした。しかし学校教育の現場と同じく、ピアノ教育も現代では”いかに楽しんでもらうか?”というスタンスに変わりつつあるようです。

また、少子化の影響もあることに加えて、ピアノ以外の他の楽器専攻の音大卒業生や教育を専門で学ばれてきた方もピアノの先生として仕事をされていることもあり、生徒より先生方が目に見えて多くなっている時代です。SNS等で乳幼児からのピアノレッスンで成功されている(と思われる)先生方を沢山お見掛けするようになったのは生徒の獲得が難しくなったことが主な要因だと思われます。

今回のタイトルにあります”講師が楽しむ”は、その流れとは少し異なるのかもしれませんが、講師自身が”教えること・演奏することを楽しむ姿勢”をまず最初のアクションとして考えてもいいのではないか?という提案です。もちろん独りよがりの一歩通行では困りますが、ゆくゆくは生徒が音楽を楽しむということに繋がっていくと私は信じています(講師から生徒へワクワクを伝染させるイメージでしょうか)。そしてそれは確実に仕事への「遣り甲斐」にも繋がっていきます。

ただ講師がそのモチベーションを保つには自ら関心のある事に深く学び続けることも必要不可欠。「これをやると生徒が集まる!」が発端ではなく、自分自身がワクワクを持続できる学びです。人により様々だとは思いますが私にとってのワクワクは身体と思考のしくみを学ぶことで、新しい演奏の選択肢を発見できる(た)ことです。今まで、感覚的に伝えていたことを根拠のあるアドバイスに変えていけることは仕事に対しての自信を高めることにも繋がりました

仕事をするという事は趣味と異なり責任を負う事ですし、経営として数字を追う事も忘れてはならない大事な事ですが、結果にばかり焦点を当て過ぎるとプロセス(過程)を楽しむことが出来なくなる・・・・それは人生においてとても勿体ないことです。

私も一講師の立場で恐縮ですが、先生方には仕事(ピアノ)を楽しむということを大切にしたうえで、教室を豊かにしていけることを願っています。