こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。
前回の「オクターブや離れた和音を演奏中に小指に痛みが走る・原因」の続編になります。
「対処法」
一度伸びてしまった腱は元に戻すことは出来ないので、ほとんどの整形外科の先生は下記の治療・対処方法を勧めます。
①オクターブなどの広げる打鍵は避ける
②手術で隣の指の腱とつないで外側にずれないように固定する。 そして実体験からもお勧めする対処方法は
③伸びてしまった腱をサポートしている「腱間結合」を柔軟にすることです。
治療というよりは簡単な指のストレッチと呼ぶ方が適切かもしれません。
実際に伸びてしまった腱を支えている腱の伸縮性を良くして痛んだ腱を緩やかに支える策になります。
勿論、過度な練習は控え、小指に負担を掛けないように注意を払いながらの練習は必須です。
「日々のケアー」
ピアノ演奏者に限りませんが、楽器の演奏者は日常の生活で使用する以上の機能を手や指に強いています。
にもかかわらず、演奏や練習の前後の身体の準備をする慣習はまだ定着していない。身体に負担のない奏法を正しく使っていたとしても、通常以上の負担がかかるのですからアスリートのようにアップとクールダウンは必要不可欠だと思われます。
「ストレッチ」
手が小さくてオクターブが苦手なピアニストは練習前後、また普段ピアノを離れたところでも親指と小指を広げるストレッチを行うことをお勧めします。
※必ず外科的に異常はないことをお確かめになったうえで、対処法をお試しください。
●腱間結合を柔軟にするストレッチ・・・
腕のストレッチ・手首のストレッチ・指のストレッチはご存知だと思いますので、ここでは腱間結合のストレッチをご紹介いたします。この部分の腱を柔軟な強さに鍛えることで外側に滑り落ちてしまう5の指の伸筋腱を緩やかに引き留めます。
~腱間結合とは?~
円で囲った部分
指と指の伸筋腱を繋ぐように腱間結合が存在します。
(今回は4と5の間の腱間結合を鍛える)
内部↓
~腱間結合ストレッチ~
①テーブルに234の指をのせ、5の指のみ直角に降ろします。
②その降ろした5の指を逆の手で握り矢印の方向へ引っ張ります。
(ちょっと怖いですが横方向に伸びて気持ちの良い所まででストップ)
③ ①➡②の流れと同じように
テーブルに235の指をのせ、4の指のみ直角に降ろし、降ろした4の指を逆の手で握り矢印の方向へ引っ張ります。
このストレッチはピアノを弾く直前や入浴中、違和感を感じたときに手や他の指のストレッチと併せてやりましょう。手が充分温かい状態でやるのがベストです。
そして弾くときに忘れてはならない事・・・
意識を指だけにフォーカスすることなく
5の指と繋がった尺骨(前腕内にある骨の1本)➪胴体、脚までも含めて打鍵することを忘れないようにしましょう。
番外編につづく・・・
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