こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。
「努力が足りない!」「もっと練習しなさい!」
といった類の言葉を掛けられたことのある方は多いと思われます。そして指導者だからこそ、過去にそんなハードルを懸命に超えた経験はあるはずです。
例外なく、私もその一人です。
どんな技術もマスターするためには「練習」が必要です。上達するという目標をもって、マスターしたい技術を繰り返すことによって希望するレベルに近づくことが可能になります。ですが、「やみくもな練習」は時間の無駄になるばかりか、手の故障をひき起こす恐れがあるので注意が必要です。
指導者の立場になると生徒さんに「反復練習」の意義を伝えなくてはいけない場面も多いですね。
まずは、この「反復練習」・・・あまり楽しいこととは思いづらいものですが、この時に脳内では何が起こっているのか?を明確にすることとで 指導者・演奏者は、ネガティブなとらえ方をポジティブな思考に変えられるでしょう!
ミエリンについて???の方がほとんどだと思いますので、まず脳から順をおって説明させてください。
脳はざっくり、灰白質と白質の2種類の神経組織から出来ています。
灰白質は脳内の情報を処理し信号が感覚信号や感覚刺激を神経細胞(ニューロン)に伝達します(脳は100億を超える多くの神経細胞がネットワークを作って出来ています)。
白質は脳全体の50%を占めており、脂肪細胞と神経線維(ニューロンから出ている細い繊維)から出来ています。
身体を動かすためには情報が灰白質から脊髄に伝わり軸索と呼ばれる神経線維を通じて筋肉に伝達されなければなりません。
その軸索には電気を通しにくいミエリン鞘というものが巻き付いていて、その間は軸索がむき出しになっています(つながったソーセージの状態)。このミエリンの鞘(さや)状の覆いは練習することにより木の年輪、又はバウムクーヘンのように厚みを増していきます。
そして層が厚くなればなるほど脳から筋肉に伝わる情報は速くなり、さらに電気信号を送る際のエネルギー損失を低減し効率よく伝達できるようになります。これを神経路のミエリン化と呼ぶそうです。
ピアニストは演奏に必要な脳の領域でミエリンが発達しているそうです。
しかし時間を増やせばいいというものではないですし、ちょっと怖いのは不適切な身体の使い方をした反復練習も記憶されてしまうので注意が必要です。練習の質や効果も重要なのですね。
練習の時間を最大限生かすには・・・
①集中できる環境を整える(具体的には・・PC・TV・FB・LINE等を遠ざける。)
②質の良い繰り返しをしなければ意味を持たない為、まずは速度を落として正確に始める。
③その後、徐々にスピードをあげていく。
④決められた時間内に繰り返すこと
そして詳細を思い浮かべ脳内で練習することでも強化できるという実験結果も出ているそうです。(アスリート必須のイメージトレーニングですね。)
今では脳科学が進み、解剖学的な研究とともに
効果的な練習方法が手に入る世の中になりました。
身体の構造や仕組みを理解することは練習目的を明確にする助けとなります。
下は反復練習のしくみがアニメになったものです。