ピアノ演奏者が知っておきたいお得なこと・9

ffから瞬時にppを出すとき(subito piano)の身体の扱い方

こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。

瞬時に音量を増やす場合はそれほどの苦労はないと思われますが、その逆で瞬時に(「間」も取らず)音量を減らす技術に苦労する方は多いと思います。(私も現在、バッハ・ブゾーニの「シャコンヌ」に取り組んでいて、92小節目から93小節目に入るところで実験中)

呼吸で対処する、イメージを用いる、身体構造を考える、と対処方法は様々ありますが、ピアノ演奏における、デクレッシェンドや「間」さえも取らない急激な音量の変化の考え方と対処について、私なりの方法お伝えしたいと思います。

~そもそもffを出している時、身体には何が起こっているか?~

ピアノの音の強弱は打鍵の落下スピードで決まります。強く出したいときは➡落下スピードを速く、逆に弱い音が欲しい場合は➡ゆっくりと落下させ打鍵します。もちろん、一定以下のスピードで打鍵すると打鍵されたハンマーが弦まで届くことが出来ず撥弦出来ないので注意が必要です。

ちまたでは「脱力」という打鍵がブームとなっていますが、正確な表現ではないので、もう少しだけ具体的に順を追って起こっている事を説明すると・・・

・重力を利用して指と腕を落下させ➡鍵盤に落ちる瞬間に数多くある指の伸筋と屈筋を拮抗させて張りを持たせて打鍵します。腕にある指の筋肉は疲れやすいので手の中にある骨間筋や虫様筋を主に使うのがよいでしょう。(もちろん使用するのはこれのみではなく全身にある他の筋肉も少しづつバランスよく使います)

・さらに音量が必要になるときは肋骨のサイドにある前鋸筋(別命ボクサー筋)を取り入れます。前方に突くようにスピードを上げて打鍵をするとさらに音量を増すことが可能になります。

前鋸は肩甲骨を前方にスライドさせる働きがありますが、腕立て伏せなどをする際は僧帽筋と共に肩甲骨を固定させて身体を持ち上げます。私はこの腕立て伏せの時の肩甲骨の使い方をffの打鍵の際には使用しています。(肩甲骨を固定し腕を前方に突く動き)

            前鋸筋
          僧帽筋
    この中部繊維を肩甲骨固定に使用

~ではppを出している時の身体は?~

弱い音が欲しい場合は➡スピードを落として落下させ打鍵します。この時肩甲骨を固定する筋肉は必要はなく重力を利用して落下させます。繊細に音が途切れずppを出すには、関節も脇も緩んだ状態であり、なおかつ腕は鎖骨から指先まで続く長い部位だと正確にマッピングすることも大切です。

~では本題のff➡ppの瞬間でやることとは~

指や前腕だけに注目しがちな、強弱のコントロール。もうご存じの通り鍵盤に触れている指から遠く離れた軸骨格の影響が非常に強いです。

ffで使われた肩甲骨周囲の筋肉の張りを緩め➡ppに入るということ。これは理解できることですが、これを瞬時に行うという瞬発力が容易ではない。ましてや緊張を伴う本番となるとなおさらです。

そこで⇩

①トップジョイント(脊椎の一番上にふんわりと頭をのせ)を意識。

まずは身体本来の機能を充分に使えるスイッチをオンにします。(それについての解説はコチラ

②胸郭に固定された肩甲骨を解除(前鋸筋と僧帽筋中部繊維を緩め、動けるようにする)

この二つを同時にしかも瞬時に出来るようになるには、ある程度の習得期間は必要ですが、確実に音色に変化が表れるでしょう。

このケースもそうでしたが、問題が改善しないときはその問題箇所付近にある筋肉よりも、離れたところに問題が隠れているというケースが多いという事も知っておくとお得です。

ピアノ演奏者が知っておきたいお得なこと・8

演奏の「方向性」を考える

こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。

私がピアノ演奏に取り入れている「アレクサンダーテクニーク」という技術の中に7つの原理というものがあり、その中の一つに[direction]という原理があります。

[direction]は日本語では「方向」「指示」「命令」「動き」「管理」等と訳されますが、アレクサンダーテクニークで使用される際は「方向性」と訳されることが多いようです。辞書(実用日本語表現辞典)には「何かの物事を進める場合の進め方や方針の在り方などのこと」とあり、「目的に至る手段」という考え方がしっくりくるようです。

~F.Mアレクサンダー氏の「方向性と抑制」~

アレクサンダーテクニークの生みの親であるF・Mアレクサンダー氏の著書「the use of the self」の中には彼の経験を含めて「方向性」に関することが書き残されています(以下抜粋)。

・使い方の方向性を感覚に頼ってはいけない

・自分の使い方の方向性(自分を使う時)にどう指示を与えているか?

・最初の結果を達成しようという刺激への本能的な反応は、はじめに抑制されただけではなく、新しい使い方の方向性が、出されている間中、ずっと抑制され続けていることになる。

私の場合は「抑制」という言葉はあまり意識して使わないようにしています。(方向性やプランを確実に実行することであえて「抑制」ということを実行に加えなくてもいいのではないか?という考え方からです)現在継承されているアレクサンダーテクニークの技術にも変化は見受けられますが、この本を読む限り、執筆した当時の彼は常に「方向性」のなかに「抑制」をセットにして考えていたように感じます。

~演奏に必要な「方向性」とは~

では私たち演奏家が演奏する際に方向性を定めるにはどうすればよいのでしょう?

歩く・立つ・座るなどの日常動作も「動き」であり、その際にも手順が大切ですが、演奏においてはさらに情報を処理し続けながら動きの指示も多く・複雑になっていきます。

どのような動きであっても全く同じ定型のプランというものは存在しません。とくに複雑化する音楽(演奏)においてはなおさらですが、おおよその計画の必要性は感じます。その下地があったうえで、その場その時に応じた対処法を身に着ける必要があるのではないかと私は思うのです。

演奏の方向性=望みの演奏をする

次は具体的なプランについて以下にまとめてみました。

①頭が動けるように脊椎の一番上にふんわりとのせる(この身体本来の動きが可能になるスタートボタンは必須!

②次に望み・到達したい演奏を考える

③②のやりたい演奏をにするにはどんな技術?何が必要か?を考える

④それに必要なパーツ(関節や筋肉)の使い方を選択する

ステージでは身体の筋感覚に頼る自動演奏に任せることも経験上必要な場面はありますが、とくに技術的に難しいパッセージの個所などでは順序立てた明確な選択が必要なように感じます。

ただ、私たち演奏家、とくに専門的に学ぶ意識が強ければ強いほど、より高い技術を追いがちです。単なるアクロバットな演奏に陥らぬよう、まずは何を表現したいのか?という一番の根幹となる「方向性」を大切にしたいものです。

ピアノ演奏の時にも 人間に本来備わっている機能の邪魔をしない

「頭が動けて身体全体がついてくる」と演奏も動きも驚くほど変わる ?!

こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。

アレクサンダーテクニークを取り入れたレッスンの現場で頻繁に聞く声掛けが、この「頭が動けて身体全体がついてくる」であることは間違いないでしょう(多少の言葉の選択は異なるかもしれません)。

実は人間本来の機能を最大限に生かす仕組みがこの頭と脊椎の関係に隠されているようです。

頭・脊椎の本来の機能=プライマリーコントロール

アレクサンダーテクニークには7つの原理があるのですが、この頭と脊椎の関係はそのうちの一つで、プライマリーコントロール(人間に本来備わっているバランス調整機能)と呼ばれています。この頭と脊椎のある関節を押し潰すように固めてしまうと本来備わっている機能である動きや演奏(思考も含む)が難しくなります。もちろん、固めたままで練習を積んで(悪しき習慣)しまってもある程度の成長や向上は望めますが、自分自身の100%の力を発揮することは出来ません。これが起きている関節は環椎後頭関節と呼ばれ(下の赤➡の箇所)両サイドの耳の穴を結んだそ真ん中の位置に存在すると言われています。

環椎後頭関節の位置

そもそも、何故押し固めをするのでしょう?

脊椎動物は「恐怖反射」(びっくり反射とも呼ばれる)という本能を生まれながらに持っています。敵に襲われたときに本能的に「固まる」というアレです。

野生動物のケースでお話しすると、草食動物(被食)が肉食動物(捕食)を見つけた際にとっさに起こる身体の現象です。逃げる➡闘うの前に起こす行動で、頭と脊椎をギュッと押し固めることで身体の動きを止めます。先ずは気配を消すことで捕食動物に気づかれずにやり過ごすという生き残るための第一の行動とも言われています。

高度に成長を遂げた哺乳類の私たちは、現代でこそ猛獣に襲われる心配はありません。ただ、いつどこで襲われるかもしれないという危険察知能力の遺伝子が優れているものだけが生き残り、現代の人間の本能に受け継がれているため「恐怖反射」「びっくり反射」はスタイルを変え、根強く残っているのが現状です。唐突に何か物が飛んできたときのとっさの動き・親や教師に怒鳴られておびえた子供・ステージで演奏する際の過度な緊張状態などでも、かなりの確率でこの反射が起こっていると言えます

実際にこの関節で起こっている筋肉の働きを明確に分析する

動物の骨の周りには、身体を動かすための筋肉が300種、650個もあり、その一つ一つの筋肉の先が腱となって骨に付着して機能しています。様々な分類の仕方がありますが、筋肉の深さで分けると表層筋と深層筋に分けられます。下図は背面の表層にある筋肉。使った感覚がダイレクトに判るのが表層筋で、瞬発的な力を発揮します。

       表層筋

表層筋を何枚も剥がしていくと、深部に持久力はあるものの意識しづらい深層筋が表れます。これは後頭部の例で最も深いところに存在する後頭下筋群

<後頭下筋群>は姿勢を自動調整するセンサーが豊富でバランスを調整する機能を持つと考えられている

人間(脊椎動物)は 各感覚器官からの刺激を受けてバランスを保っています。また全ての筋肉の中には筋紡錘という身体のバランスを調整するセンサーが存在しているそうです。歩く時にも脚だけではなく身体全体の筋肉を微調整して助けてくれるのでロボットのような不自然な動きにはならず、バランスの良い自然な動きが可能になるのはこの機能のお陰のようです。後頭下筋群は数ある筋肉の中でも筋紡錘が多く存在するところになります。後頭下筋群は頭部から首の骨上の1番目と2番目の骨にかけてつながっている最も深いところにある対の4つの筋肉の総称です。深層筋なので感じることは出来ませんが、身体の動きを意識することなく微調整してくれる高機能センサーを所持する筋肉群になのです。日常生活で無意識に微調整を行っていて、頭と首を繊細に保つ働きをしているとても重要な部分にあたると考えられています。

この後頭下筋群の機能を理解することでも、アレクサンダーテクニークで言われている頭が自由にいつでも繊細に動ける状態で、脊椎の一番上の関節にふんわりとバランスをとっていること」が身体全体を存分に使いこなせるという理解を助ける材料となるでしょう。

マッピングを正しく理解し、意識することは、人間本来の備わっている機能(プライマリーコントロール)を抑制することなく使える状態にに引き上げてくれます。これは演奏のみならず日常の動きや思考を最大限の状態に引き上げることが出来る身体の機能といえます。

まずは日常の動きから意識をすることが大切です!それが望む演奏につながっていくと私は信じています。

レッスンやワークショップで講師の軸となっているもの

こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。

唐突ですが・・・

フライト中に何らかのトラブルで機内が急減圧した場合、酸素マスクが目の前に降下されます。この時、あなたが小さなお子さんを持つ親であったとして取るであろう行動を予測してみてください。

10キロ上空を飛行する機内では正確に意識を保てるのは30秒ほど。まずはお子さんにマスクを付ける前にご自身の酸素マスクを装着するのが取るべき正しい行動です自分の安全を確保することが出来なければ他者を助けることも出来ない。これはその例として頻繁に出される話です。

●「まずは自分の面倒をみる」=アレクサンダーテクニークレッスンの基本

「自分の面倒をみる」ことは個人レッスンやワークショップの講師として生徒さんや参加者の皆様の前に立ってアドバイスをする際、今の私が最も大切にしている考えです。

過去のレッスンの現場では「自分の面倒を見ていない(自分自身の身体を忘れた使い方)」状態の私を生徒さん方はお手本にしてしまう事も多々ありました。

日本では「相手を尊重し優先する」自己犠牲が美徳とされている慣習もあるため、指導する立場で「自分優先」とも受け取られてしまいがちな行動は、違和感を抱く人も多いでしょう。

それでも、私が学ぶアレクサンダーテクニークは演奏や指導の際の前提として、酸素マスクの話と同様に「まずは自分の面倒をみる」ということを第一に優先します。

「自分自身を信頼する」

先日開催したワークショップでは「自分の面倒をみる」とともに「自分自身を信頼する」ということもつけ加えました。

今どきのポジティブシンキング的なスキルで捉えるとすれば、自分を信頼するのも簡単そうな作業ですが、本来の意味で信じて頼りにすることは、自分自身に対してもそれなりの根拠が必要になります。

その根拠となるものを蓄えられたと実感したときに私は初めて「自分自身を信頼する」ことが出来、レッスンやワークショップの時間を充実したものに出来るのだと思っています。

「自分の面倒をみる」

「自分を信頼する」

今現在、この2つが私の中のアレクサンダーテクニークレッスンの軸となり、そして基本となっています。

同様の条件下で行われたNASAのシミュレーションテストを見たことがあります。体内の酸素飽和レベルが下がり低酸素症になると、基本的な人間としての機能が完全に停止していきます。ほんの数分でごく普通の理性的な人間が、ものの形も判別できない、手も動かせない、自分の身を守ることもできない別人と変わってしまいます。

本番でいつも通り!を望む、  大人のピアニストさんのためのレッスン 「緊張の正体を知って、演奏力を伸ばす」

こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。

長年、あたためていた「ステージの緊張」をメインにしたワークショップが      昨日無事終了いたしました。

前半は緊張状態における身体と思考の分析、後半はレッスンと3時間強の時間でしたが緊張の講座用に用意した資料ファイルも含め、参加者の方は真摯に質問や疑問を投げかけてくださり充実した講座となりました。

開催にあたり、ご協力頂きました楽器店や先生方には本当に感謝です。

「緊張の正体」の講座は定期的に他県でも開催希望のお声を頂いております。WSをご希望の方はお問合せください。

また来年早々に「ピアニストの身体と思考の使い方(仮)を2回シリーズで開催予定です。(詳細はもう少しお待ちください。)

11/4(祝)開催のワークショップ、残席1名となりました!

こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。

「緊張の正体を知って、演奏力を伸ばす!」のワークショップが来週開催されます。

「思い(想い)」「望み」はもちろん異なるとは思いますが、本番の疑問やお悩みを持った方がWSにお集まり頂いています。

ワークショップでは「なぜいつも通りに演奏できないのか?」という事を知ることから始めます。

また、緊張の正体はそれぞれのシチュエーション・考え方や体質でも異なりますので、後半では曲の一部を実際に演奏をして頂き、ひも解いていきます(もちろん、強制ではありません)。

本番における今までの習慣と緊張の正体を知り、演奏を楽しむためのツールをお持ち帰りください。

テーマは「緊張」ですが、和やかなワークショップになりそうです。

ご興味のある方は

ほんのちょっぴりの勇気でコチラに⇩お申し込みを!

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ピアノ演奏者が知っておきたいお得なこと・7

緊張を味方につけるには! その2

こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。

11・4の「緊張の正体を知って、演奏力を伸ばす!」の資料作りが思いのほか楽しく、

しかも

ワークショップ開催のために学びを深めたおかげで、自分自身の本番にも変化がありました。

現在、まとめているものは主に緊張で起こる自律神経系の身体の変化ですが、インプットしやすいようにまとめたものを当日お配りする予定です。

これまでの「交感神経と副交感神経」のみの知識から➡「多重迷走神経の理論」も含め、アップデートしています(HPにも添付したかったのですが、何故かコピーできず・・・残念)。HPの投稿ではその神経システムから見た「緊張の変化」を簡単な文章ですが綴ってみました。

ステージ・本番での緊張の3ステップ(自律神経)を知る」

日常では人が人として健全に社会的な繋がりを保つため「腹側迷走神経複合体」という神経がはたらいています。相手の内面を理解する力と互いの関係性の中で協力し合う力です。

ただ環境や状況が変化もしくは悪化し、人に助けを求めることで解決できなくなった場合(ステージでの本番)➡「交感神経」が優位に働き逃走闘争モード(緊張)に変わります。ソワソワや手の震え、または手に汗をかいたり口が渇き心臓の鼓動が速くなるような身体の変化が表れます。

身体がそのような対応をしても打開出来ないとなった場合(緊張の度が超えた時や絶体絶命の危機など)➡「背側迷走神経複合体」の防衛反応オンになり、身体は硬直し乖離状態(心と身体の解離)になります。野生動物でいう「死んだふり」「省エネモード」にあたります。ステージで何も感じなくなり、演奏する気もなくなる心理状態がそれにあたります。

このような1~2、または1~3までのステップで本番の緊張は起こります。人間や動物は「見えないもの」や「「理解できないもの」に恐怖や不安を感じます。緊張の解決策を求める前に、このことを「知っておくこと」は実は非常に大切なプロセスでもあります。

11月4日(祝) 本番でいつも通り!を望む大人のピアニストさんのためのレッスン「緊張の正体を知って、演奏力を伸ばす!」では参加者の体験にも寄り添って探求をしていく予定です。

2名ほどお席が空いております。ご興味おありの方はこちらからどうぞ↓

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ピアノ演奏者が知っておきたいお得なこと・6 

緊張を味方につけるには!その1

こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。

頼りになるセロトニンを味方につける方法!

●口角を上げる

数年前になりますが、息子の習うバレエ教室の参観会に行った時のこと。
レッスン中、指導の先生から
「口角を上げて」
というアドバイスがありました。

真剣に取り組むあまり、口をへの字にしながら取り組む子供たちに
口角を引き上げることで見栄えだけではなく
☆頭も上向きの方向に向かう事を伝え、
そして脊椎を長くし続けることにより
しなやかさをもった回転が可能になる

そんな事を仰っていました。


そんな
「口角を上げる」
という事で思い出した効果がもう一つ!


たとえ楽しくなかったとしても口角を上げることで→
脳が騙され、気持ちが上向きになり元気になる

という事

脳に「幸せ」という信号が送られ、神経伝達物質の「※セロトニン」が分泌され
興奮のアクセル役「ノルアドレナリン」「ドーパミン」暴走を抑え心のバランスを整えるブレーキの役割を担い
心身がリラックスし、最適な覚醒状態にする。
という仕組みです。

また日ごろから、神経伝達物質のセロトニン分泌の多い脳に変える方法を以下に挙げてみました↓

●セロトニンを増やす食材

セロトニンが脳内で作られるにはトリプトファンという必須アミノ酸が必要になるそうです。豆腐・納豆・味噌・醤油などの大豆食品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品,米などの穀類、そのほか ごま・ピーナッツ・卵・バナナ、などにトリプトファンというが多く含まれており、なおかつ取り込みやすいとのこと。

ステージ前の軽食にバナナを摂取する演奏者が多いのもうなずけます。ちなみにバナナと一緒に牛乳の組み合わせが効果的です。

●セロトニンを活性化させる運動

ウオーキング・ジョギング・自転車こぎ・スクワットなどの日常生活レベルのリズム運動。(ガムをかむ・歯磨きをするなどの一定のリズムでも効果はあるとか)おススメは早朝の人通りが少ない時間のウオーキングを5分~30分を集中して3か月以上は続ける続けることで神経構造そのものが変わっていくそうです。

●太陽の光を浴びる

日光を浴びることで睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が止まり、セロトニンの分泌スイッチが入る。

●グルーミング

聞きなれない言葉ですが・・・ペットをなでる・スキンシップ・マッサージをする行為になります。気の置けない人とゆっくり会話する行為も含まれます。ようするに心と心を通わせたという事実と行動が大切でこの行為は男女差なくオキシトシンという物質が分泌されるようです。このオキシトシンはセロトニン活性を誘発をするそうです。

以上になりますが、一番即効性があるのは「口角を上げる」ことですね。ストレスと上手に付き合い、ステージや本番の演奏をより自分らしいものにしていきましょう!

緊張の正体をもっと知りたい方はこちらのワークショップがおすすめです。↓

大人のピアニストさんの為の講座が11月4日に開催されます。




口角を上げる効能と効果

*セロトニン
俗に言う「幸せホルモン」
(人間の精神面に大きな影響を与える神経伝達物質でノルアドレナリンとドーパミンと並ぶ三大神経伝達物質)

☆セロトニンは姿勢を保つ抗重力筋にも働きかける。

オクターブや離れた和音を演奏中に小指に痛みが走る・番外編

こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。

番外編は「痛み」が慢性的な痛みや再発として扱われる場合は、実は心が緊張して起こっている場合があるという例です。

緊張性筋炎症候群

アメリカの医師・ジョン・E・サーノが主張した理論で、心理状態が発端の緊張が自律神経系特有の働きによって、筋肉や神経、腱、靭帯(組織単位で発症するというより筋肉も神経も含めた領域)の一部に血管収縮が起こり、軽度の酸素欠乏が痛みを感じさせていると言われています。(ここでいう「緊張」は無意識化で生み出され、ほとんど自覚できない。受け入れがたいがために抑圧された感情をいいます。)

また、様々な部分に現れるだけでなく、それまでの症状が良くなると別の部位に痛みが移る傾向もある厄介なものです。どうやら脳が心の心配や不安から注意をそらすためにこの戦法を使うようです。

症例で最も多いのは腰痛ですが、手や指の腱にも発症例はあります。

回復するためには

最も重要なことは「何が起きているのかを本人が理解する」。つまり情報得てその本質を理解すること。

その情報に従って脳の習性を変えるよう「行動」すること。  痛みを気に病んだり怯えたりせず、通常通りの身体の動かし方をする(外科的に特に問題が無いことを確かめたうえで)。

アレクサンダー・テクニークでも言われていることではありますが、身体と思考は切り離せないもので、双方が影響しあっています。

そして、痛みの部分にばかり集中すると身体の使い方のバランスは必ず崩れていきます。

ピアノはとかく指に注目してしまいがちですが、指・腕だけで弾こうとするのではなく、頭から支えになっている脚までの身体全身の筋肉とバランスに耳を傾けて演奏することが大切です。

大人のピアニストさんの為の講座が11月4日に開催されます。

お申し込みはコチラから↓

オクターブや離れた和音を演奏中に小指に痛みが走る・対処法

こんにちは。「信頼される指導力と根拠のある技術を身につける!」ピアノ講師とプレイヤーを応援する 山本玲です。

前回の「オクターブや離れた和音を演奏中に小指に痛みが走る・原因」の続編になります。

「対処法」

一度伸びてしまった腱は元に戻すことは出来ないので、ほとんどの整形外科の先生は下記の治療・対処方法を勧めます。
①オクターブなどの広げる打鍵は避ける
②手術で隣の指の腱とつないで外側にずれないように固定する。 そして実体験からもお勧めする対処方法は
③伸びてしまった腱をサポートしている「腱間結合」を柔軟にすることです。
治療というよりは簡単な指のストレッチと呼ぶ方が適切かもしれません。
実際に伸びてしまった腱を支えている腱の伸縮性を良くして痛んだ腱を緩やかに支える策になります。

勿論、過度な練習は控え、小指に負担を掛けないように注意を払いながらの練習は必須です。

「日々のケアー」

ピアノ演奏者に限りませんが、楽器の演奏者は日常の生活で使用する以上の機能を手や指に強いています

にもかかわらず、演奏や練習の前後の身体の準備をする慣習はまだ定着していない。身体に負担のない奏法を正しく使っていたとしても、通常以上の負担がかかるのですからアスリートのようにアップとクールダウンは必要不可欠だと思われます。

「ストレッチ」

手が小さくてオクターブが苦手なピアニストは練習前後、また普段ピアノを離れたところでも親指と小指を広げるストレッチを行うことをお勧めします。

必ず外科的に異常はないことをお確かめになったうえで、対処法をお試しください。

腱間結合を柔軟にするストレッチ・・・
腕のストレッチ・手首のストレッチ・指のストレッチはご存知だと思いますので、ここでは腱間結合のストレッチをご紹介いたします。この部分の腱を柔軟な強さに鍛えることで外側に滑り落ちてしまう5の指の伸筋腱を緩やかに引き留めます。

~腱間結合とは?~
円で囲った部分
指と指の伸筋腱を繋ぐように腱間結合が存在します。
(今回は4と5の間の腱間結合を鍛える)
内部↓

~腱間結合ストレッチ~
①テーブルに234の指をのせ、5の指のみ直角に降ろします。

小指の腱を痛めたら part Ⅳ

②その降ろした5の指を逆の手で握り矢印の方向へ引っ張ります。
(ちょっと怖いですが横方向に伸びて気持ちの良い所まででストップ)

小指の腱を痛めたら part Ⅳ

③ ①➡②の流れと同じように
テーブルに235の指をのせ、4の指のみ直角に降ろし、降ろした4の指を逆の手で握り矢印の方向へ引っ張ります。

小指の腱を痛めたら part Ⅳ

このストレッチはピアノを弾く直前や入浴中、違和感を感じたときに手や他の指のストレッチと併せてやりましょう。手が充分温かい状態でやるのがベストです。


そして弾くときに忘れてはならない事・・・
意識を指だけにフォーカスすることなく
5の指と繋がった尺骨(前腕内にある骨の1本)➪胴体、脚までも含めて打鍵することを忘れないよう
にしましょう。

番外編につづく・・・

大人のピアニストさんの為の講座が11月4日に開催されます。

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